2013年11月13日水曜日

パイナップルの彼方(山本文緒)あらすじと感想。後半にスイッチが切り替わる。

山本文緒というのは直木賞小説家で恋愛がらみの小説で有名です。
この人のデビュー作(たぶん)の「パイナップルの彼方」を紹介します。

主人公は信用金庫に勤める23歳のOL。
周りの人間と適度な距離感をおいたクールでマイペースな日常を送っています。
それがある事件をきっかけに急展開して、、という内容です。

前半は主人公と周りの人間の人物描写と小説の世界観の構築に使われていると思うんですよ。
それが話が急展開する後半に、登場人物の力関係が動き出し、前半で見えていなかった一面が顔を出したりするんで、そこを楽しんでください。

僕はこの作家のほかの作品も読んだのですが、ストーリーににスピード感があるという点でパイナップルの彼方を一押しします。

実はこの作品を読んだのは15年以上前で、今日は久しぶりに読み返しました。
相変わらず面白かったのですが、主人公の日常が大きく動き出すある事件、いやいやそれはアンタ一線を越えてるでしょ、ダメでしょ、そうなるのは時間の問題でしょ、とは思いました。

15年前はみんな年上だった登場人物がいまはほとんど年下というのも面白いです。
キーパーソンのひとり、女ったらしのオジサンが昔は本当にオジサンと思ってましたがいまは年下のむしろ若手のように思えるのって不思議ですよ。

おススメの小説なので皆さんも読んでみてください。

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